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このシリーズは、電話を受けている相談員が、相談の中で感じたことを紹介したものです。内容は物語り風にしていますが、実際の相談内容とは異なります。


「協力的でない夫、もう、私クタクタ」

 
「私、29歳。2つ違いで3人の子どもがいます。毎日が戦争のように忙しくってー。今度、幼稚園の母の会で役員を引き受けたんです。大変なことは分かっていたんですがね。断れない性格なんです。そのうえ、町会の班の役もまわってきました。それなのに主人はちっとも協力してくれないんです。それどころか、自分のほうがまだまだかまって欲しいらしくて、だから、私は子どもが4人いるみたいなんですね。
 『子どもを母親がみるのは当然だ』と言ってお風呂にも入れてくれないし、昨日もちょっと美容院に行くのであずけたら『見ててやったぞ』です。自分の子どもでしょ!きれい好きなのも困るんですよ。『子どもの服が泥だらけだ、ちゃんと洗っているのか、そら、おつゆをこぼした、早く拭け、玄関の靴が揃えてない…』と次から次なんです。もう私はクタクタです。すっかりやせてしまいました。時々、主人も子どももどうなってもいい、もう知らないって投げ出したくなるんです」

 受話器からは、単調なテレビの音と、幼い子どもたちのはしゃぐ声が聞こえてくる。お昼はとっくに過ぎているのに、子どもたちのご飯はどうなっているのだろうか、と私の心配をよそに40分以上、まだ電話は終わりそうにない。子どもたちにまつわりつかれる幸せよりも、毎日の苦労と、ああ、こんなにして一日が過ぎてしまっていいのだろうか、と焦る気持ちが交錯して、夫への不満が吹き出ている。妻がこんなにしんどい思いをしていることを夫は知っているのだろうかー。
 「話したってどうせだめなんです」
 さんざん話して1時間を過ぎた頃、
 「でもね、○○さんのご主人は家ではやさしくて協力的だけど、浮気をしているんですって。そんなことを聞くと、私はまだいいのかなあって思うんですよ。いいえ、自分にそう言いきかせているんですけど、でないと救われないでしょ」。
 話し終えた後の声は意外にさっぱりと「長い間ありがとう」
 何も言ってあげられなかったけど吸取紙の役目だけは果たせたような気がする。 家庭の基礎作りの大事なときに『元気を出して!』と肩を叩いてあげたい思いである。



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社会福祉法人 奈良いのちの電話協会